成功の価値観を共有する
「成功」の概念は人それぞれ。 「卒業すること」「英語が上達すること」「希望の大学に合格すること」「世界中で友達をつくること」「1つのことを忍耐強く貫徹したこと」などなど……。それぞれの考える「成功」を数え挙げたらきりがありません。
往々にして、保護者と子どもの考える「成功」もまた異なるもの。子どもたちの中には「自分は頑張っているのに保護者が認めてくれない」と嘆き、持っている力を十分に発揮できない子もいます。
自分の考える「成功」に近づくことも大切ですが、いちばん重要なのは、家族が皆で「おめでとう」という喜びを共有できることです。私たちは、そのためにできることを真摯に考えていきます。
小さな目標達成を積み重ねる
限られた時間内で何をどれだけ習得できるかは個人によって異なります。留学というチャンスがあっても、ただ「待ち」の姿勢だけでは事は何も起こりません。「単語を覚える」「クラスで発言する」「友達を増やす」……など、留学開始当初の小さな目標を1つひとつ達成することによって、1学年を終了する頃には学校の中で存在をアピールできるようになることでしょう。思いがけない出会いや発見は、何事にも好奇心を持ち、自分から人と関わることで生まれるのです。
苦手だと思うことでもどんどん挑戦すること、上級生になったら寮長やスポーツチームのキャプテンや生徒会役員などに立候補することなど、積極性が自分を磨くカギとなります。2年目や3年目になり生活に慣れてきても、小さな目標達成を積み重ね、自分の可能性をさらに広げてください。その姿勢や習慣は、ただの「いい思い出」というだけではなく、これからの長い人生に出会うたくさんの人の中で、あなただけの大事な財産となります。
安全な環境で大人になるための準備を
「小学生・中学生・高校生留学」の特徴は、まだ未成年のため留学中は子どもとして扱われるということ。学校のルールによって縛られ、大人の目の届く範囲で学校生活を送ります。それは、保護者にとっては安心材料のひとつでもあるでしょう。一方、大学生になってからの留学はもう大人として扱われるため、学生本人の成績やお金の管理、出欠席状況の情報など、個人情報にかかわるものは、日本にいる保護者には伝わりません。保護者の立場からすると、子どもが学校に行っているかどうかわからないというリスクがあります。
それらを踏まえると、高校留学は「大人の管理下」という安全な環境の中で教育を受けることができる最後のチャンスであり、大人になるための準備期間です。大人になるためにいちばん身につけて欲しいのは「自立」する力。さらに責任感、忍耐力、創造力、異なる価値観を受け入れる寛容性、自己主張するスキル、そして友情や大人との人間関係を構築する経験も大切です。 これらは点数で測ることはできませんが、私たちでさえ留学を終えた子どもたちの何気ない発言やふるまいの中に内面的な成長を感じる時があります。保護者であればなおのこと。きっと我が子が頼もしく思えるはずです。
海外で1人になると、不安から学校生活に支障をきたしてしまうことがあります。留学をよりよい学びの場とするために、親子の信頼関係を盤石にして家族みんなで留学の目標や喜びを共有しましょう。