ボーディングスクールの特長やメリット、エディクムの考え方などご紹介します。
ボーディングスクールとは?
ボーディングスクールとは、寮の施設を持ち、学生を24時間体制でサポートする学校の総称です。一部の全寮制を除き、約50%~85%の学生が寮生としてキャンパス内で生活をしています。文武両道に秀でた次世代の社会のリーダーとなる人物の育成に力を注いでいるのが大きな特徴です。世界中から集まった学生はそれぞれの文化や考え方を持ち合いながら寮で共同生活し、学習、スポーツ、芸術のほか、地域社会のボランティア活動などさまざまな経験を積みます。教師も大半は寮やキャンパス内に暮らし、放課後も学生の生活をサポートしています。 小学生から受け入れ可能な学校や、中高一貫の6年制、中3から高3までの4年制などがあります。
その中でも大学進学に定評がある学校をプレップスクール/College Preparatory Schoolと呼んでいます。プレップスクール以外にSmall Boarding School(スモールボーディングスクール)、Military School(ミリタリースクール)、Church School(ミッション系スクール)、Single Sex School(男子校/女子校)、Art School (芸術系学校)、Junior Boarding School(ジュニアボーディングスクール)、IB Program School(国際バカロレア教育を持つ学校)などボーディングスクールには特徴的で個性的な学校が多く、学生のニーズに合わせた学校選択を可能にしています。
ボーディングスクールで学ぶことのメリット
海外のボーディングスクールで学ぶことのメリットはどんなことでしょうか?
- 英語で行われる授業を理解し、自分の意見を明確に英語で発言することができ実践的な英語力を身につけることができる。
- 1クラス平均12名程度の少人数制授業。教科担当の先生が1人ひとりの学習習熟度を把握することができ、学生は的確なアドバイスや指導を受けることができる。また学生の生活面や成績を包括的に把握し、相談役を担うアドバイザー(Advisor)からのサポートを受けることができる。
- 規律正しい寮生活を通し、時間管理・自己管理・自己責任を自然に身につけることができる。
- 多様な背景・文化・考え方を持つ学生との日常的な交流の中で、異文化に対する興味や理解が深まる。その結果「違い/Difference」を受け入れる力が身につき、世界的な視点から日本について考えることができるようになる
- 高校や大学進学のための勉強だけでなく、リーダーシップ活動・奉仕活動・スポーツ・芸術/文化活動など多岐にわたる活動に参加する機会が与えられ、自分の興味関心を追及することや新しい才能や能力を発見するチャンスがある。生活・勉強・スポーツ・芸術活動・課外活動に必要な設備や施設はほぼすべて学校キャンパス内にあり、時間を最大限有効に使うことができる。
- 学生寮には複数の教職員またその家族が学生とともに共同生活し、24時間体制で学生の生活面をサポート。ほかの多くの教職員も学校キャンパス内にある教職員用住宅で生活し、学生の学習面をサポートしている。セキュリティースタッフも常駐し安全面も確保されている。学生が安心して学生生活に集中することができる環境が整っている。
ボーディングスクールでは「Well Rounded Person」が良い学生として高い評価を受けます。「Well Rounded Person」とは学業成績が優秀であることはもちろんのこと、スポーツ、音楽、美術、ボランティア活動などに自主的に参加し、そのいずれにおいても最大限の努力をし、リーダーシップを発揮することのできる学生を指します。
ボーディングスクールの選び方
ボーディングスクールもそれぞれに特徴や個性があります。子どもの性格、英語力、学力、留学の目標、将来の夢などを考慮し、最も子どもにあうベストマッチな学校を選びましょう。名門校や難関校と評価されている学校が常に子どもに適した学校とは限りません。
学校を選ぶ時の10のポイント
- 国(地域)
- 全校学生数
- 寮生と通学生の比率
- 留学生の数(突出して人数の多い国籍の有無)
- 英語研修(ESL)の有無およびそのレベル
- 年間費用
- 課外活動
- 設備
- カリキュラム(2学期制/3学期制、週5日制か6日制か、APコースの数、科目数など)
- 卒業後の進学実績
ボーディングスクールの種類
- プレップスクール/College Preparatory School
- 卒業後の大学進学に重点を置き大学進学用のカリキュラムやプログラムを持っている。大学進学カウンセリング/College Counselingも充実し、専門のカウンセラーが学生の大学進学をサポートする。卒業後の大学進学率はほぼ100%。プレップスクールには特に大学進学実績が優秀な学校群がある。
- The Ten Schools(10スクールズ)アメリカ
- 100年以上の歴史と伝統をもち、学業及び社会的に貢献できる人物を数多く輩出している名門難関私立校。卒業生の多くが、ハーバード大学をはじめとするアイビーリーグ、または全米トップクラスの大学へ進学する。
- Philips Academy Andover, Philips Exeter Academy, Choate Rosemary Hall, Deerfield Academy, The Loomis Chaffee School, The Hill School, The Hotchkiss School, The Lawrenceville School, St. Paul's School, The Taft School
- Strong Prep School (ストロングプレップスクール)
- The Ten Schoolsの次に位置づけされる中堅クラスの学校。ほぼ全員が大学に進学する。ストロングプレップからもアイビーリーグやレベルの高い大学へ進学している。
- Small Boarding School (スモールボーディングスクール)
- 在籍学生数が200名以下の学校。Strong Prep Schoolと比較し、個人へのサポート体制がよりきめ細やかである。
- 大きな特徴としてESLが充実している学校が多く、またアットホームな生活環境を提供する。
- Military School(ミリタリースクール)
- アメリカの退役した軍人などによって運営されている学校。軍隊式の規則正しい生活を提供する。部屋の整理整頓・食事の際のマナーなど徹底して訓練される。高校卒業資格は通常のボーディングスクールと同様に学生は大学に進学をする。リーダーシップ教育を重視している。
- Church School(ミッション系スクール)
- 学校のカリキュラムの中に、宗教(聖書)の学習を必須科目として定めている学校。特定の宗派によって運営されている場合が多い。入学志願者の宗派は問わないが、礼拝への出席を義務付けていることもある。教会などからの支援を受けることでプレップスクールなどのボーディングスクールに比べ年間費用が少ない学校もある。
- Single Sex School(男子校/女子校)
- 男子校と女子校に分かれている学校。中には、小学部まで通学制学校で共学のところがある。特徴として、男子校はスポーツの種類やチームが多く強豪校の場合が多い。女子校はダンス、音楽、美術、乗馬のプログラムに力を入れている学校が多い。また、それぞれの性別に適した教育方法を取り入れていることも特徴のひとつである。
- Art School (芸術系学校)
- より多く美術や音楽、演劇、ダンスなどの勉強ができる学校。学校により芸術の得意分野が異なる。多くの学生が、卒業後に芸術大学へ進学する。学校によっては、出願時にオーディションを受けなければならない。
- Junior Boarding School(ジュニアボーディングスクール)
- 9年生までを受け入れている学校。低年齢向けの教育を提供しているThe Ten Schoolsやストロングプレップスクールの準備校として創設された学校が多い。高校入学時にはネイティブと同等の実践的英語力を習得している学生も少なくない。留学生は5年生もしくは6年生から入学が認められている学校が多い。
- IB Program School(国際バカロレア課程認定校)
- IB(インターナショナルバカロレア)資格と呼ばれる、個々の国独自の教育制度に依存しない大学入学資格が取得可能なプログラムを提供する学校。世界の著名な大学を含め、122カ国以上で認定されており、中等教育の最後の2年間に、卒業論文を含む6種類の選択科目を学び、試験を受ける。ここ数年、IB資格が取得可能な学校は増加傾向にある。
エディクムは、以下のことを大切に考え、学校選定のお手伝いをします
- 知名度だけではなく、子供たちに合った学校選び
- 留学する目的や将来の夢を共有し、実現する事ができる学校選び
ボーディングスクールへの留学は、エディクムが設立当初から力を入れて開拓し、多くの学校を日本に紹介してきました。2003年、世界のボーディングスクール約300校が加盟するTABS(The Association of Boarding Schools)より、顧客へのサービスとボーディングスクールへの貢献が認められ、日本で唯一表彰を受けています。
世界から認められているコンサルティング
ボーディングスクールでの生活
寮生活
ボーディングスクールは、学生が安心して安全に学生生活を送れるよう多くの規則があります。その規則の大前提が「規則正しい生活習慣を身につけること」です。 起床時間、授業開始/終了時間、食事の時間、放課後のスポーツ、アクティビティへの参加、夜のStudy Hall(勉強時間)、そして消灯時間に至るまで、毎日のスケジュールは細かく時間単位で決まっています。
世界中の学生が1つ屋根の下でルームメイトとして共同生活をしているため、寮にも多くの規則が設けられています。安心で安全な寮生活を確保し提供することで、世界中から集まった異なる文化や考え方を持ち合った学生たちが、臆することなく日常的に交流することができるのです。 寮はクラスルームとはまた違う、学生同士の「学びの場」としての役割を担っています。それがボーディングスクールの寮生活です。
寮生活の例
06:00-07:15 | 起床/ベットメイキング/シャワー/登校準備 |
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07:15-08:00 | カフェテリア(食堂)で朝食 |
08:00-11:45 | 授業 |
11:45-12:30 | 昼食 |
12:30-15:00 | 授業 |
15:00-16:00 | 各教科の先生に質問&補習を受ける 時間 |
16:00-18:00 | スポーツ/課外活動 |
18:15-19:00 | 夕食 |
19:30-21:50 | Study Hall(寮内での自習時間) |
21:50-22:30 | 自由時間 |
23:00 | 消灯 |
土曜日&日曜日のスケジュール
学校は休みです。週末は所属するスポーツの試合が行われ、その他のアクティビティーが開催されます。寮生のために、小旅行やショッピングツアーが計画されることもあります。それらのアクティビティーには参加せず、ゆっくり休んだり、勉強時間にすることもできます。
サポート環境
ボーディングスクール留学中のエディクムの詳しいサポートにつきましては、以下をご覧ください。
生活のサポート
教職員の75% ~ 90%が学校の敷地内に住んでおり、放課後、夜の自習時間中、週末の自由時間など、先生に直接質問することができます。
進学のサポート
全ての学生が第1志望に合格進学することはありませんが、学校は「Best School for Each Student(1人ひとりにとっての最良の学校)」を叶えることができるように徹底した進学サポートを学生に提供します。
学校には、進学カウンセラーがおり、彼らは学生の進路相談や受験準備(面接練習、願書作成/願書作文の作成&添削など)だけでなく、卒業生が進学した学校とのネットワーク作り、次のステップへの説明会やQ & Aを開催する手配など、進学にかかわる全てのことを行います
ボーディングスクールへの留学実績・体験談
エディクムの子供たちは、ボーディングスクール、サマースクール、公立校含め、さまざまな学校に留学していきました。以下に紹介していますので、ご覧ください。
国境封鎖が続くニュージーランドで思うこと
私は2017 年1 月からニュージーランドで学んでいます。こちらにはYear10(日本の中学校3 年生に相当)として入学し、現在、オークランド大学の2 年生でコンピューターサイエンスを専攻しています。
私は友達のお父さんに勧められて、2016 年の夏にイギリスでのサマースクールに参加しました。その時、初めての海外での経験にショックを受け、自分も留学してみたいと思ったのがニュージーランドの中高校に入学したきっかけです。サマースクールでは日本で当り前ということが非常識だったり、日本ではあり得ない経験ができ、新しいことを学ぶということに対するモチベーションがすごく上がりました。例えば、自分が所属していた中学校は、地元でも歴史のある学校でしたが、授業はノートと筆記用具を使うのが定番でした。しかし、イギリスの学校では、タブレットをはじめとしたITを最大限に用いるのが当たり前であり、自分の意見を発表するのも当然と考えられています。それはニュージーランドの学校でも同じでした。
ニュージーランドには右も左もわからない状態で到着した為、当初は英語を話すこともままならず、とても苦労したのを今も鮮明に覚えています。留学開始当初は、言葉が話せないなか友達を作るのが難しく、コミュニケーション不足によって先生から注意を受けたり、ホームシックになったりと大変でした。なかには英語が話せないためにトラブルに巻き込まれたこともありました。私が在学した学校(*注St Paul’s Collegiate School)は10 年生の半分の期間を山のなかにあるキャンパスで過ごすTihoi と呼ばれる特別プログラムがありました。一般の教科の学習もしますが、アウトドア活動に多くの時間を費やします。日常生活の様々なことが当番制で決まっており、本来の当番の学生が忘れていたり、さぼったりしたことを英語力がない自分のせいになったりと、災いが降りかかり、悔しい思いをしたこともありました。また留学生は殆どおらず、意思疎通を図るのが難しく、心が折れそうになることも複数回あり、留学をやめようと何度も思いました。留学の全てが楽しい記憶というわけではありません。
しかし、こちらで時間を過ごしコミュニケーションが図れるようになるにつれ、留学が充実した日々へと変わってゆき、今では毎日、大学へ行くのがとても楽しい、と心から思います。大学のキャンパスは自由な雰囲気に溢れ、特段、先生に指示されたり、課題をやりなさい、と言われることはありません。全て自己責任ですが、その自由で好きなことができる環境が心地よいです。プログラミングの学習で、チューターと呼ばれる指南役の学生と頻繁に言葉を交わし、今までの自分とは交流が無かった学生グループとも親しくなりました。こちらは18 才が成人年齢ですので、18 才の誕生日はホストファミリーが盛大に祝ってくれました。コロナ禍で日本へ帰国することが叶わないなか、とても印象に残った出来事のひとつです。
留学は私にとって人生を変える大きな第一歩になりました。また留学を通して色々な機会に恵まれ、世界各国からの色々な人と交流することができ、とても貴重な経験になっています。世界ではまだコロナウイルスの収束が見通せず、入国制限や規制などが続いています。大変な状況ではありますが、これから留学を考えている方は是非前向きに検討してみてはいかがでしょうか?百聞は一見に如かず、経験から学ぶことは本当に多く、人生を変えるきっかけになるかも知れません。
*St Paul‘s Collegiate School ハミルトン(北島)にある私立寮制学校で、Year 9 & 10 は男子のみ、Year11~13は男女共学です。Tihoi Venture School は、タウポ郊外にあり18 週間にわたり自然に戻って生活するアウトドアアドベンチャープログラムです。学校の指針は“冒険を通じて個性の成長”に基盤を置いています。
(写真:右)