アメリカの夏休み宿題
5月末から6月初めにかけて、アメリカに留学中の学生たちは1学年を終了し、帰国します。次の学期が始まるのは8月後半から9月の初めですので、約3ヶ月の夏休みがあります。日本に比べると3倍の夏休みとなりますので、冬休みが明けてから多くの学生が夏休みの計画を始めます。夏の間は、サマースクールに参加したり、アルバイトをしたり、大学進学の準備をしたり、旅行をしたり、友達を日本にご招待したりと、長いお休みも多忙に過ごす学生が多いです。
さて、新しい学期への切り替えとなるため、アメリカの学校では夏休みの宿題はあるの?と疑問にもたれる方が多いと思います。
答えは。。。。「もちろん、あります」
ボーディングスクールでは学年末が近づいてくると、Summer Reading List(夏の課題本リスト)が送られてきます。毎年、このリストをみるのはコンサルタントたちの楽しみの一つとなっております。伝統的な古典小説から最近の流行本まで取り上げており、各学校の先生たちの姿勢が表われているのも、興味深いものがあります。
通常は全学年か各学年に必須で課された図書を1冊、その他にリストの中から1-3冊の図書を読まなければいけません。学校によっては、他の言語に翻訳されていない本をきちんと調べて、課題図書を指定していることもあります。その逆に、ESLを持っている学校では母国語でもいいから課題図書を必ず読むことを課している学校もあります。英語のクラスだけでなく、歴史のクラスからも課題図書を出されることもあります。そして、秋の新学期が始まると授業で夏休みに読んできた本に関して、作文課題やテストがありますので、課題本を無視することができません。1冊200ページ以上の洋書となりますので、英語に苦労する留学生たちにはとても大きな課題となります。
今年、新しい趣向で課題図書を出した学校があります。いつもは選択できる図書が4冊(よく課題図書に選ばれる古典的な本も含めて)ありますが、今年は2冊です。どちらもバイオグラフィー的な内容です。この2冊の本から1冊を選んで、学校が指定した問題点を考えながら、本を読むことが指示されています。そして、新しい学年になると、その2冊の本を書いた著者たちをキャンパスに招いて、スピーチをしていただき、生徒たちと接してもらう計画を学校は立てているようです。読んだ本に関して、実際に著者から話をきけるなんて、粋なはからいですよね。これは、私立のボーディングスクールだからこそできる計らいなのかなと思います。
今週から夏休みで帰国した学生たちがオフィスを訪れてくれています。みんながどんな本を選択しているのかを聞くのがとても楽しみです。
今週末はいよいよ渡航前オリエンテーションを開催します。これから、お手伝いをしてくれるOBOGとの打ち合わせを行います。
