【異国での学びが与えた影響】 第1回:遠回りして出会った、日本という宝物(矢口康太さん)
「留学」は人生の中で大きなアドベンチャーであり、日本では味わえない体験を通して、自分自身を深く見つめる絶好の機会です。留学中に気づく自身の変化、また留学を終え社会に出た時に「留学体験」が自分に何をもたらしたか?を実感する時が多々あります。
「異国で生活すること」「異国で学んだこと」が自分をどう変えたか?その後の人生にどう影響を与えているか?EDICMのOB/OGや知人が留学を振り返り、その体験が「現在の自分」をどう形作っているのか?エピソードをシリーズでお届けします。
第1回は、EDICMからアメリカの高校、St. Andrew’s Schoolに留学した矢口康太さんをご紹介いたします。
自由を求めた15歳が見つけた、“日本人であること”の誇り
「日本なんて大嫌い」——そんな思いが私をアメリカ留学に駆り立てました。中学3年まで野球に打ち込んでいた私は、日本の建前文化や、上下関係に強い違和感を抱いていました。実力で評価され、自由な精神が尊重されるアメリカへの憧れが日々募り、高校進学を前に渡米を決意。MLB選手になる夢を胸に、フロリダ州のボーディングスクール、St. Andrew’s Schoolへ進学しました。
英語力を本気で伸ばすため、日本人のいない環境を選びました。最初の数ヶ月は言葉や文化の壁に苦しみましたが、野球という共通言語に救われ、少しずつ現地に馴染んでいきました。最終学年ではキャプテンを務め、州の選抜にも選ばれました。異国で「日本人代表」として見られる経験を通じて、自分でも気づいていなかった“日本人らしさ”に出会うことができました。
日本文化に反発していた自分が、距離を置くことでその価値を理解するようになりました。アメリカでは自己主張が大切ですが、日本人特有の“思いやりや繊細さ”が逆に評価される場面も多くありました。
帰国後は日本の大学に進学し、新卒で外資系企業に就職。いくつかの転職や挫折を経て、日本の素晴らしさに改めて気づかされました。長い歴史、豊かな自然、受け継がれる文化、そして世界に誇れる食。海外を知ったからこそ見える日本の魅力があります。
こうした“本質的な美しさ”を次世代へ繋げたいという想いから、2023年、旅行業のライセンスを取得して、Japan Adventures株式会社を設立。大量消費型ではない、自然体験やローカル文化に特化した質の高い旅を主に英語圏のお客様向けに提供しています。実は設立直後から応援してくれたのはSt. Andrew’s Schoolの友達たちで、ハネムーン旅行を企画したり、フロリダで会社経営をしている友人とは事業提携の話をしており、今でも国を越えて連携が続いています。
自由を求めて飛び出した15歳の自分に、今こう伝えたいです。「日本に生まれて良かったね」と。
Japan Adventures株式会社では同じ思いを持つ仲間を募集しています。一緒に日本の魅力を世界に届けたい方、ご連絡をお待ちしています!
*会社詳細:https://www.japan-adventures.co/