【セミナーの報告】経験者が語る、高校時代の1年留学で得られたもの
高校時代の「一年留学体験談」
中学・高校留学は複数年間を現地の学校で過ごし、卒業資格を得ることができますが、一方で1学年間のみ在籍する、ということも可能です。1年留学の魅力は経済的である上、日本の大学を受験する際、総合型選抜(AO)入試も選択肢となること等、複数あります。9月25日(土)にゲストスピーカーを迎え、オンラインで説明会を開催しました。
ゲストスピーカー
N.Kさん
2020-2021年、日本の高校2年次にGould Academy(アメリカ・メイン州)で学ぶ。帰国後、日本の高校の3年生に復学。コロナ禍の留学で数々の困難の中、学習や課外活動に全力で取り組みました。異文化理解や人種差別についての活動では、母国語でない英語で全校学生の前で発表を行い活躍しました。
Y.Nさん
2016-2017年、日本の高校2年次にWayland Academy(アメリカ・ウィスコンシン州)で学ぶ。2017年9月に日本の高校へ復学。帰国後、英検準1級に合格。慶應義塾大学総合政策学部へ進み、現在4年生として卒業論文を執筆中。2022年春から、外資系金融業界で社会人としての第一歩を踏み出す予定です。
留学したことで将来の目標が定まった(N.Kさん)
N.Kさんが留学を決めた大きな理由は「自分と違うバックグラウンドと考え方を持つ人たちと出会うため」、また「親に頼るばかりの自分を変えたい、自立したい」という気持ちもありました。
現地の学校生活で驚いたことは、日本の学校とは異なる成績の評価基準でした。アメリカでは”どのくらいできるか”よりも“どのくらい積極的か”を評価されます。授業では沈黙が全くないほど学生達が積極的なディスカッションをし、最初は戸惑いました。生活面ではマスクで鼻が隠れていないと私だけ注意を受け(コロナ禍のため)、アメリカ人が同じ状態でも問われないのに、と納得がゆかずアジア人学生と白人学生の間にある「目に見えない壁」も感じたと言います。
そこでN.Kさんは、その状況を変えるため、学校新聞に投稿し、スピーチを行うことを通して、学校内に差別や偏見がある事実を周囲に伝える活動を開始しました。活動を通して気づいたのは「たった一言や一つの行動から、“この人は自分を差別している”と決めつけるのはよくない」ということです。もしかしたら、相手は差別をしている意識はなく、無知なだけかも知れない、と捉えるようになったと言います。
更に新聞づくりやスピーチの活動がきっかけとなり、かけがえのない友達を作りました。学業では最も優秀な成績を修めた学生として表彰され、英語力が顕著に伸びました。将来ジャーナリストになりたい、という新しい目標ができ、現在、大学入試に向けて準備を行っているところです。
留学が自分を変えた(Y.Nさん)
Y.Nさんは、現在、慶應義塾大学の4年生。来春卒業し、外資系投資銀行業界で社会人生活をスタートすることが決まっています。高校2年生の時に留学し、AO入試に合格し大学に入学しました。高校在学時の留学を決意したのは、中学2年生の時に参加したスイスのサマースクール(3週間)がきっかけでした。各国から集まった同年代の友達となると共に、日本人学生とは「将来はGoogleを超える企業を作りたい」等の壮大な夢を語り合ったと言います。またウクライナ人の彼女ができ「彼女に相応しい男になる!」という、今から振り返ると、自身でも可愛い目標だったと思うこともあったようです。
アメリカでの高校生活を通じて「最後までやり切る力、困難な状況を打開する力が身に付いた」と話します。それらの力は、大学時代にY.Nさんが代表を務めたビジネスサークル活動やエンターテイメント分野で起業した際に大いに発揮できました。ビジネスサークルのメンバーは約100人、様々な意見がぶつかりあう中、多様な価値観に耳を傾け、チームをまとめプロジェクトを完結することに尽力しました。
今後、バンカーとして金融のスペシャリストを目指したい、また欧州チャンピオンリーグのような大会に出場するサッカークラブのオーナーとして日本人選手を多数送りだしたいという目標を持っています。
1年留学のメリット
1年間の留学は、季節がひと巡りするうちに期間が終了するため「今、この瞬間にできることをやる!」「全力を尽くす」「来年の今頃は日本にいる!」といった思いが、前へ進む原動力になります。高いテンションを維持して過ごすことにより、大きな実力と自信がつくということを二人が示してくれました。