ボーディングスクールの新入生オリエンテーション体験記
新学期を迎え、ボーディングスクールでは新入生を対象にオリエンテーションを行います。アメリカ、メイン州にあるGould Academyに在籍するN.TさんがGould流新入生歓迎オリエンテーションをご紹介します。
大自然の中で昼夜を共にする
Gould Academyの新入生歓迎オリエンテーションは、2泊3日の合宿です。各グループは9~13人の新入生、3名のリーダー、そして3名の職員で構成され、寝袋やキャンプグッズを背負い学校を出発。登山、ハイキング、川で泳ぎ、カヌーに乗り、自炊やキャンプファイヤーを楽しみます。宿泊は山小屋、又は地面に寝袋を置き、雨に当たらないよう木々に大きな布を掛け、屋根替わりとします。
DEI(Diversity, Equity, Inclusion)プログラム
オリエンテーションの核となるテーマは、Who am I in the world?です。自分は誰なのか?学校と言うコミュニティや社会の中での自らの存在、コミュニティに属するというのはどういうことなのか?について答えを探しながらオリエンテーションを行います。夕食後、バスケットボールやカードゲーム等の楽しい活動に加え、全員でディスカッションを行います。
例えば黒人と白人の歴史を学び、私たちが今いる場所はもともとNative Americanの土地であった、その場所をどう使用するのか?等を考え、意見を出し合い、共通の価値や異なる考え方を知ります。大自然が皆をオープンな会話に導いてくれます。3日間の共同生活やディスカッションを通してDEI(多様性、公平性、包容性) の意味を問い、学校に戻り新生活を開始する心の準備ができます。
リーダーシップを学ぶ
私はリーダーとして今年新入生歓迎オリエンテーションに参加しました。緊張気味の新入生の様子を見て2年前の自分を思い出します。キャンプに慣れていない学生には、何気なく近づき大丈夫?と声をかけ、学校の規則や様子を教えながら、皆が打ち解ける雰囲気づくりを目指しました。
昨年はコロナパンデミックで数々の行事が中止、友達とのコミュニケーションにも多くの制限が設けられ、「自分はなぜここにいるのか?」と悩んだこともありました。しかし、今年はほぼ全員がキャンパスに戻り、コロナ前の学校生活に戻りつつあります。更に寮のプリフェクト(寮長)や、Global Student Organizationクラブの部長の役割を得て、休む暇がないほど忙しい毎日が始まりました。リーダーの仕事を通して、更に自分自身を高めてゆきたいと思います。