留学説明会報告:現役学生が語るコロナ禍のリアルな留学生活
新型コロナウイルスパンデミックにより、海外留学の道が閉ざされてしまった2020年秋。大学を筆頭に多くの教育機関がオンライン授業へと移行した中、北半球のボーディングスクール(小・中・高校)は徹底的な感染防止策を講じ、対面授業を再開。1年間の学校生活を成功裏に終了させました。その渦中に身を置いた現役の留学生が体験談を語る説明会を7月24日(土)10:00より、オンラインで行いました。その一部をご紹介します。
カナダで留学初年度を終えたM.Kさん
M.Kさんにとってカナダで生活した7か月は非常に内容の濃い充実した日々でした。春先に申請した学生ビザは発給手続きが休止され、ようやくビザを手にしたのが2020年11月。9月から出発日まで自宅でオンライン授業を受講。カナダ到着後は14日間のホテルでの隔離生活を経験しました。
学校では対面とオンラインの両方を取り入れた授業スタイルが採用され、外出の制限もありました。しかし、寮のスタッフの手厚いサポートのおかげで、週末はもとより、冬休み、春休みも寮に残った学生のためにイベントやアクティビティが用意され、寮生同士の絆が深まりました。物事を前向きに捉え、与えられた条件、環境下で最大限に楽しんだM.Kさんにとって、この7か月は二度と経験することのない貴重な時間となったと話しました。
コロラド州の学校で2年目を終えたK.Aさん
留学初年度が間もなく終了を迎える2020年3月、感染拡大が広がるアメリカから緊急帰国をし、初めてのオンライン授業で学年末を迎えました。日本とコロラド州とは15時間の時差があり、昼夜逆転のライブ授業を受講することが難しく、録画された講義をひたすら聞き、そして一人で学ぶことが求められました。
この経験から留学2年目は現地へ戻ることを決断。キャンパス内で感染者が出れば対面からオンライン授業へ切り換えられる、また大好きなスポーツもできない環境でしたが、何よりもオンタイムで学べること、そして友達や先生と直接関われる日々に喜びを感じたそうです。アメリカの大学への進学を見据え、3年目の目標は学業のみならず、リーダーシップやボランティア活動、スポーツにも積極的に参加したいと話しました。
カナダのボーディングスクールからアメリカの大学へ進学するT.Kさん
卒業までの留学期間を振り返って留学の意味や価値を語りました。英語力、成績、ボランティア活動など、全てにおいて全力でエネルギーを注いだ3年間の頑張りが見事に実を結び、今秋からアメリカの有名大学へ進学します。発想力と行動力を駆使し、得意な料理やお菓子作りをもとに立ち上げたボランティア活動。そして寮長にも抜擢されるコミュニケーション力やリーダーシップ力に留学を通して更に磨きをかけました。
大学出願作業の過程で、ある大学の入試担当者が言いました。「コロナ禍を理由に何も行動しない学生は当校には必要ない。」その発言を耳にして以降、アクションを起こす大切さを学んだと言います。未来は予測不可能なことの連続であるからこそ、現状に満足せず、どのような状況においても自らの力で前進すること、チャレンジを楽しむことが大切です。コロナパンデミック禍の留学だからこそ得ることができた価値観や、人との絆がある。このようなスキルは、現地で学ぶ日々を大切にしているうちに自然と身につくものなのでしょう。
今後の留学生活の見通し
各国でワクチン接種率が上がり、北半球の多くの学校は、現在、新学期の準備に入っています。コロナ前と完全に同じ学校生活へ戻ることができるかは未知数です。しかし、ボーディングスクールはこの一年間の経験と知恵を活かし2021-2022年度は更にステップアップをしながら学校運営を進めてゆくでしょう。