3年間のオーストリア留学で得られたもの - H.Oさんの体験談
エディクムの学生達が学ぶアメリカ、カナダ、ヨーロッパの国々ではワクチンの接種率も上がっており、来年度(2021-2022年度)は今年度よりもスムーズに開始できるとの期待感が膨らんでいるところです。
今月、または来月に行われる卒業式は、規模を縮小する等の工夫を重ねながら、多くの学校が対面で開催する方向で準備を進めています(既に終了した学校もあります)。今回は、その卒業生の一人となったH.Oさんの体験談をご紹介します。彼女はザルツブルグ(オーストリア)のアメリカンインターナショナルスクール(AIS)で3年間を過ごし、先日、卒業証書を手にしました。
入学当初の辛かった日々
AISには、10年生(高校1年生)として入学しました。オーストリアにある学校に決めた理由は、出来るだけ日本から離れたところで勉強したかったこと、英語以外の言語にも強い興味を持っていたからです。10年生(高校1年生)としてAISへ入学した時、日本人学生は私以外に一人もいませんでした。
最初の数カ月間は、アメリカンスクールなのに英語ができないことを揶揄されることもありましたが、そのようなことはAISに入学した以上、ある程度仕方がないと捉えていました。勉強もできず、初年度は落ちこぼれていましたが、2年目から立て直し、成績も多少上がりました。気がついたら勉強がよくできる賢い友達が周囲にできていました。
AISには優秀な学生を対象に送られる賞があるのですが、それを受け取っている友達をずっと目の当たりにしてきて、自分をその人たちと比べるようになりました。私もその賞が欲しい、と思い、人並み以上に部屋に籠って勉強するようになってからは睡眠時間が減りました。
自立への意識
AISに入学して、基本的なことは自分で何でもできるようになりました。それまでは、自ら進んで勉強に取り組むことはありませんでしたが、自分で計画して効率よく学習できるようになりました。日本での勉強に比べると格段に内容が難しく、理解も追いつかないのが最初の1年でした。
英語に慣れてくるとそれが普通になり、英語を毎日24時間使うことが当たり前になります。AISで実際に使われている英語は、まさに外国映画に出てくるような感じですし、逆に文法が強い人の英語は、聴き取りにくいと感じました。英語が話せるということは強みだと思います。文法ができて学校での英語の成績が良いだけで英語ができるとは言えない、と実感しました。
異文化を知る
また他の国の文化を知ることも大事だと実感しています。私の周りにはロシア人の友達が多いのですが、夏休みにそのうちの一人のモスクワの自宅へ遊びに行ったこともあります。日本で高校生活を送っていたら、そのような経験はできなかったでしょう。オーストリア国内はもとより、ヨーロッパ内に実家がある友達を訪ねたことは良い想い出ですし、AISの魅力のひとつと言えます。
最初は辛かったAISでの日々ですが、先生方は優しいですし、楽しかったことも数多くあったので、とても良い3年間(高校生活)になったと思います。 大学ではAISで培った英語とドイツ語で、自分がやりたいことを見つけたい、と考えています。
*AIS(正式名称: The American International School-Salzburg)
人口約15万人の街ザルツブルグの中心から、車で約10分の住宅街にキャンパスを有する、オーストリアで最も古い寮制インターナショナルスクール。学内の共通言語は英語であるが、オーストリアの公用語はドイツ語。基本的な履修科目は、アメリカの高校カリキュラムに基づいている。アルプスまで10分の距離に位置し、50以上のスキー場が1時間圏内にある。学生一人ひとりへ目が行き届くよう配慮し、教員と学生の比率は1:6と少人数制を保っている。音楽や美術にも力を入れており、夏にはザルツブルグで音楽祭が開催される等、ヨーロッパの芸術に多く触れる機会がある。また、ヨーロッパ圏内の学習旅行(フランス、ハンガリー、イタリア、ギリシャ、スペイン、イギリス等)も充実し、卒業生は世界各国の大学へ進学している。
*ザルツブルグ
世界で最も美しく、安全な街と言われるザルツブルグは、ドイツ語で“塩の城“という意味で、中世に岩塩は「白い金」と呼ばれ、高値で取引されました。岩塩のもたらす莫大な富が街を発展させ、その実権を握っていたのは大司教です。モーツアルトの生誕の地としても有名で、夏にはザルツブルグ音楽祭が催され、世界中から多くの音楽ファンが集まります。文化遺産にも登録されています。
〈情報提供: オーストリア政府観光局)