留学先各校の新型コロナウイルスに対する取り組み(2020年12月)
エディクムでは、新型コロナウイルスに対する留学先各校の状況を継続的にお伝えしています。前回の情報は次のページでご覧いただけます。
留学先各校の新型コロナウイルスに対する取り組み(2020年9月)
今回は、2020年12月現在の留学先各校の新型コロナウイルスに対する最新の取り組みをお伝えします。
注意事項: 情報は記事公開時点のものです。各国の新型コロナウイルスの感染状況の変化などによって、国や地域、学校の対応が変更される可能性がありますので、ご注意ください。
ボーディングスクール各校の対応
北半球のボーディングスクールの多くは、新型コロナウイルスに対する様々なプロトコル(対応策)を講じた上で、新年度から対面授業を再開しました。一部の学校では学生や教職員、及び関係者に陽性者が出ているものの、教育を止めないという取り組みを継続しています。
一方、南半球のニュージーランドの季節は初夏となり、学年末を迎えています。現在、警戒レベル1を維持しているため、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保を求められことはなく、日常生活はほぼ通常通りです。学年末のダンスパーティや修了式も例年通り行われています。
アメリカのボーディングスクール
アメリカのボーディングスクールの多くも対面授業を再開しています。隔離期間については各州の保健省の指示によるため、近隣のホテルで2週間を過ごすことを求めた学校もあれば、日本で受けたPCR検査が陰性であればそのままキャンパスへ到着することを許可するところもありました。
多くの学校は対面授業を感謝祭休暇開始前(11月20日頃)まで行い、12月はオンライン授業へ切り替えています。そのため、日本からの留学生の多くは11月中に帰国しました。対面授業の再開は学校により異なりますが、1月初め~2月となっています。
カナダのボーディングスクール
新規でカナダへ留学予定の学生達は春先から「いつ頃、ビザが発給されるのだろう」と不安な気持ちを抱えながら夏を過ごしましたが、遂に10月20日から新規の学生ビザが発給されるようになりました。入国に際しては、出発直前にArriveCANと呼ばれるアプリに到着便や入国後の2週間の隔離プログラムの詳細を入力することが求められています。州によっては現地到着時も更に細かい予定を提出することが義務づけられています。
既に9月から対面授業が始まっているキャンパス内では隔離プログラムを実施できないため、各校は地元のホテルと連携し、専任のスタッフが常駐して対応しています。その間、学生達は定期的に留学生担当者やアドバイザー、または各教科担当の先生とオンラインでミーティングの機会を持っています。また各校の担当者は定期的にホテルを訪問し、必要な物を差し入れ、ソーシャルディスタンスを保った上で学生達の様子を見守りました。隔離期間が終了する数日前にPCR検査が行われ、陰性が確認された後、待ちに待ったキャンパスに到着しました。
スイスのボーディングスクール
8月末から新学期が開始され、冬季に近づくにつれ複数校で職員や学生の間で陽性者が確認されています。各学校では綿密なプロトコルに則り、陽性者の隔離、接触者の追跡、一時的に対面授業からオンラインへの切り替え、そしてキャンパス全員の検査等を実施し、都度感染拡大を抑え込み、キャンパスを閉めることなく学校生活を運営しています。冬休みは12月中旬に始まりますが、感染が心配な学生には早めに帰国し、自宅からオンライン授業を受講することができます。
オーストリアのボーディングスクール
ザルツブルグにあるAmerican International Schoolは、10月29日にオーストリアの一日の感染者数が4,000人を超えたことに伴い、政府が健康に対するリスクを示すレベルを(上から2番目の)「オレンジ」から最も高い「赤」へ引き上げました。そのため、11月半ば以降の学校運営スケジュールを下記へ変更しました。
- 11月13日まで:寮生を対象に対面での授業を継続し、通学生はオンライン学習とする。
- 11月16日~12月18日:全学生がオンラインで履修する。
- 2021年1月11日:対面授業を再開予定(但し、感染状況により変更の可能性あり)。
ニュージーランドのボーディングスクール
9月に感染経路不明な罹患者が見つかったため、オークランド地域は一時的にレベル2へ引き上げられましたが、10月8日からレベル1(特に制限なく仕事や学校、スポーツ、国内旅行を再開することができ、集会の参加人数の上限もない状態)へ戻し、現時点で全域がレベル1となっています。
但し、11月19日以降は、オークランド内、及びオークランドに出入りする全ての公共交通機関やNZ全土の国内線航空便を利用する際は、マスクの着用が義務付けられました。3月以降国境閉鎖が続き、NZ国外でのビザの発給が停止されているため、新規留学生の渡航、及び観光目的での入国はできません。2021年度も同国で学習を継続する学生は、全員が現地で夏季休暇を過ごすことになりました。日本への一時帰国が叶わないのは、学生はもとよりご家族にとっても寂しい限りですが、留学生はNZ国内旅行ツアーやキャンプに参加する等、例年では体験できないことに取り組み、視野を広げる予定です。
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大した今年の春先は、多くの学校がオンライン授業へ切り替えたため、留学生は年度途中の帰国を余儀なくされました。秋以降、その経験を活かし、教育を止めないこと、コミュニティーの安全と健康を守ることを最優先にプロトコルを設け実践しながら冬を迎えています。2021年の年明け以降の学校運営には、不確定な部分も多くありますが、対面授業を継続させるべく対応しているところです。