留学に適した年齢とは?
「いつ留学するのが良いのでしょうか?」
しばしば受けるこの質問。ご相談に来られるお客様が特に気になっているところのようです。私どもは、「それぞれのお子さんの成熟度やご家族の価値観によって異なります」とお答えしています。
まずは本人がやる気になったとき。「鉄は熱いうちに打て」のように、ご本人の気持ちが熱い時は留学実行の良いタイミングといえます。 しかし、「それじゃあすぐに留学を!」と実行に移せるのは高校生以上が一般的です。小学生や中学生の場合、親元を離れることは子どもにとって大きなインパクトがあり、また、個人によって「精神的な成熟度」にばらつきがあるため慎重に考える必要があります。
逆に言えば、「なぜ小学校5年生から行かせるのか?」なぜ「中学校1年から行かせる必要があるのか?」、この問いを冷静に話し合うことも必要です。本人と家族で納得がいくようであれば、ぜひご相談を。
小中学生で留学をする場合
小中学生でボーディングスクールへ長期留学するお子さんはいますが、人数は決して多くはありません。
低年齢での留学のメリットは、
- 早くから英語力を身につけることで、発音がよくなり、速く上達する
- 海外のハイレベルな高校へ入学するためには、ジュニアボーディングからの留学が有利(例えばアメリカのテンスクールへの合格やスイス・イギリスの名門校への入学の場合)
- 英語だけでなく、他の外国語をマスターする時間が十分にある
ですが、反対にデメリットとして
- 日本語の読み書きが苦手になる
- 長期間を海外で過ごすことでアイデンティティクライシスに陥る場合がある
- 親と一緒に過ごす時間が少なくなる
が挙げられます。
高校生で留学をする場合
アメリカの高校は4年間(9年生~12年生・日本では中学3年~高校3年)をかけます。ヨーロッパのインターナショナルスクールでインターナショナルバカロレアの資格を取得するには、IB2年間(高校2年と3年生)です。が、英語力の低い日本人学生ならプラス2年間の準備期間を持つべきです。つまり、最低4年間を必要とします。ニュージーランドの場合でもNCEAと呼ばれる国の統一試験で良い成績を収めるには高校1年~3年の3年間が必要です。
卒業留学を目指す場合、一般的に最低3年間、更に大学進学に向けて「良い成績を収め良い大学に行く」ことを考えると中学3年から4年間をかけて卒業留学、または中学卒業後、1学年をリピートして4年間をかけてボーディングスクールに行くことが望ましいでしょう。 実際に中学を卒業してからボーディングスクールに入学する学生の半数近くは、学年を1年下げて入学し、4年間をかけて希望の大学に合格する準備をしながら高校生活を送っています。
しかし、英語力や日本での学力が高い学生の場合、中学卒業後3年間で現地の学校を卒業するケースも多々あります。高校留学を目指すならば、中学校入学から英語力と学力を上げ、留学の準備を始めることをお勧めします。
1年留学の場合
高校生で1年留学を考える方は、「休学扱い」で行くのか、それとも単位を認定する「留学扱い」で行くのか、学校側の意見も含め日本の学校の先生と十分な話し合いが必要です。 義務教育期間の場合は、公立だと一般的には1年間の留学は認められやすいため、小学生で1年留学を経験しやすいです。私立の場合は単身留学を認めない学校があるため、やはり学校側との十分な話し合いが必要になります。
とかく親子関係が難しいと言われるティーンエイジャーの時期に、親元を離れ苦労をする経験は大変貴重なものです。さらに海外から日本を見つめ、自分の育った環境を客観的に見つめることで親や周囲の人たちへの感謝の気持ちがが芽生えることでしょう。この「自分自身を立ち位置を変え、見つめなおす」ことは、人生において大きな転機となるでしょう。それこそが留学の成果であることは間違いありません。
柔軟な子どもの心は、たとえ留学期間が1年であっても自立心が身につき、勉強や英語学習に対する意欲が強くなります。留学経験者からは、留学前とは違い、帰国後、将来の目標をもって前向きに学校生活を送るようになった……という声を多く聞きます。 1年留学についても、ぜひエディクムへご相談ください。